カルチャー

作り手と使い手をつなぐ。若手工芸作家による新ブランド「tituti」

tituti(ティトゥティ)とは「手と手」を意味する沖縄の方言。紅型、漆芸、織物、陶芸、木工といった異分野の工芸作家達で構成される「沖縄新工芸研究会」にデザイナーとインテリアコーディネーターがプロデューサーとして加わり、誕生したオリジナルブランドだ。2010年夏には、那覇市牧志に直営店もオープン。沖縄工芸の担い手達が、「新しい沖縄の工芸品づくり」に奮闘している。

 お土産品としての人気が高まる一方で、地元・沖縄の生活の中では、触れる機会が少なくなりつつある沖縄の工芸品。2005年に発足した「沖縄新工芸研究会」では、紅型、漆芸、織物、陶芸、木工といった異分野の若手工芸作家達が集まり、多角的な視点を持って意見を交わしながら「沖縄工芸の新しい形」を模索してきた。

 会の活動のモットーは「作り手の顔が見えるものづくり」、そして「生活の中にある沖縄の工芸の普及」。工芸の世界では若手とはいえ、それぞれに実力も実績もある作家達を、デザイナーの金城博之氏とインテリアデザイナーの金城雅子氏がプロデューサーまたはディレクターとして牽引し、2009年に「tituti」というひとつのブランドを生み出した。

 現在、このブランド名を掲げて、県内外での展覧会やインテリアショップでの販売、リゾートホテルのSPA施設へのディスプレイや備品の供給を行っている。そして、2010年7月には那覇市牧志に待望の直営店をオープン。センス良く並べられた手仕事の品々を求めて訪れる「使い手」を接客するのは、「作り手」である作家達だ。

 ユニークなのは、その時々のテーマに沿った作品づくりを課していること。
「例えば、植物の"クロトン"だったり、150cm四方で表現する"150角"だったり。自分の作りたいものだけを作るのではなく、与えられたテーマに沿ったものづくりをすることで、誰もが苦しみながら、そして楽しみながら新しいチャレンジをしています」
 と、プロデューサーの金城博之さん。

 もちろん、トップダウンのものづくりではないが、「本当にこの値段で売れるのか、暮らしの中で本当に使ってもらえるのか?」といった課題は、シビアに話し合うという。少量生産しかできないからこそ、それを生かした付加価値の高い商品作りが鍵となる。

「使ってもらってこその工芸品ですから、お店で使い手の意見を直接聞けるのはものすごく参考になります。あと何センチ大きかったら良かったのにとか、こんな色はないの、とか。作り手だけでは気づかない課題を、ちゃんと落としていってくれます」
 と、インテリアコーディネーターの金城雅子さんも話す。

 もちろん使い手にとっても、作り手の顔が見え、想いが伝わるお店というのはうれしい存在だ。
「この活動、このお店を通じて、使い手と作り手、そして作り手同士をつなげたい。titutiが軸となって沖縄の工芸品に新しい枝葉を広げていきたいですね」

文=原田ゆふ子
写真=武安弘毅
ディレクション=momoto編集部

取材協力
tituti(ティトゥティ)OKINAWAN CRAFT
那覇市牧志1-2-6
営業時間:13時〜19時
定休日:水曜日
電話:098-862-8184
URL:http://www.tituti.net

那覇のニューパラダイス通り沿いにオープンした直営店。築52年の赤瓦屋を自分達で改装した。二階には漆芸の工房も併設那覇のニューパラダイス通り沿いにオープンした直営店。築52年の赤瓦屋を自分達で改装した。二階には漆芸の工房も併設

赤や黄色の葉が美しい「クロトン」をテーマにした作品達。同じテーマでも、色だったり素材だったり図案だったりと、イメージするものが人によって違うのがおもしろい赤や黄色の葉が美しい「クロトン」をテーマにした作品達。同じテーマでも、色だったり素材だったり図案だったりと、イメージするものが人によって違うのがおもしろい

漆芸作家、謝識眞起子(しゃしきまきこ)さんの島ZARA。「普段使いに漆のものを一つ足してほしいという思いで作っている」そう漆芸作家、謝識眞起子(しゃしきまきこ)さんの島ZARA。「普段使いに漆のものを一つ足してほしいという思いで作っている」そう

中心的メンバーである人気陶芸家、金城有美子(きんじょうゆみこ)さんのカラフルな器中心的メンバーである人気陶芸家、金城有美子(きんじょうゆみこ)さんのカラフルな器

長池朋子(ながいけともこ)さんの織物。「沖縄の織物を身近な工芸品として親しんでほしい」長池朋子(ながいけともこ)さんの織物。「沖縄の織物を身近な工芸品として親しんでほしい」

ちょっとひと癖ある木工雑貨を生み出す、西石垣友里子(にしいしがきゆりこ)さんのインクライントレイひと癖ある木工雑貨を生み出す、西石垣友里子(にしいしがきゆりこ)さんのインクライントレイ

「今の暮らしにも合う独創的な物作りを目指している」という紅型作家、田中紀子(たなかのりこ)さんの手染め紅型バッグ

金城宏次(きんじょうこうじ)さんの紅型ランチョンセンター。工房で紅型教室を開く傍ら、現代に合った独自のデザインを制作[写真上] 金城宏次(きんじょうこうじ)さんの紅型ランチョンセンター。紅型教室を開く傍ら、現代に合った独自のデザインを制作

[写真左] 「今の暮らしにも合う独創的な物作りを目指している」という紅型作家、田中紀子(たなかのりこ)さんの手染め紅型バッグ

「tutitiの活動を通じて、沖縄らしいライフスタイルを提案したい」というインテリアコーディネータの金城雅子(きんじょうまさこ)さん「tutitiの活動を通じて、沖縄らしいライフスタイルを提案したい」というインテリアコーディネータの金城雅子(きんじょうまさこ)さん

月に数回、メンバー全員で集まってミーティングを行っている金城博之さんの事務所にメンバーが集まり、定期的にミーティングを開いている

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